今でこそITエンジニアをさせてもらっていますが、前回は経理職でした。
歴で言うと経理とITエンジニアはちょうど半分くらいです。
ここはあえて経理職についてあるあるを書いていこうと思います。
更に電卓がーとか数字に強くなるとか正確に処理する力がつく等はいくらでも記事に上がっていると思うので書きません。
これから経理職に就きたい人の参考になるとうれしいです。

- まず大前提!給料が低い!!
 - 資格の為に勉強した原価計算?減価償却?忘れても困りません
 - それよりも調査能力と他部署とのコミュニケーションの方が重要です。
 - 経理だから裁量があると意外と勘違いされやすい
 - 最後に
 
まず大前提!給料が低い!!
経理にかかわらず事務職あるあるです。
こればかりはどうしようもないです。
どうしても営業ノルマが無い、残業・怪我する確率が他の職業よりも低くかなり人気の職業です。
人が辞めた後に募集をかけると大体1週間で5人ほど募集が来るほどになります。
そのため、中途であっても給料のスタートラインが低く、昇給も余り望めません。
辞めてもすぐに次が来るんです。そりゃ募集時の年収は低く設定されます。
極めつけはどうしてもバックオフィスは直接的に会社の売上に貢献しているわけではないのでどうしても人件費というコストをなるべく抑えたい経営者は非常に多いです。
税理士等を目指さずに中小企業の経理になる事を考えている人はここは一番注意した方がいいと思います。
私は子供が出来てから金銭的に厳しくなりITエンジニアになりました。
ちなみに余談ですが、意外と経理職を見下す人は少ないです。むしろ感謝される事が多いです。
給料よりも時間の確保とやりがいを求めている人にはお勧めですが、経理で年収500万とかはかなり狭い門と思った方がいいですね。
資格の為に勉強した原価計算?減価償却?忘れても困りません
学校に行って日商簿記2級を取ったとします。
その際に皆さん困ったであろう工業簿記の原価計算や、商業簿記の原価償却があると思います。
定額法や定率法の計算方法を頭にたたきこんで経理をやっていけるか勉強中に不安になった人も多いでしょう。
でも安心してください。中小企業においてこの資産は定額法でこの資産は定率法等分けて計算することは基本的にありません。
「会計方針の統一」というものです。
つまりやり方がわからなくなっても過去の取引を確認したら答えは大体出てきます。
更に今の時代、小さい会社であっても大体会計ソフトは導入しています。
導入していない場合は税理士事務所に帳簿作成や決算等依頼していると思うのでおそらく経理職という部署は無いと思います。
会計ソフトは本当に優秀で購入日と金額と資産の種類を入力したらあとは勝手に償却してくれます。
あんなに学生の時に勉強した事は本当に使う機会が少ないです。
勿論ですが減価償却とは?から始まるとそもそも何をしているのかわからず動けなくなりますが(そういう人は意外と多い)、細かい計算方法は忘れていても業務には影響がありません。
それよりも調査能力と他部署とのコミュニケーションの方が重要です。
経理は意外と勉強で会計を勉強するよりも所属する会社の傾向や歴史を知る方がかなり重要な部署です。
過去に似た取引が無いか総勘定で確認する力となんでこの資産を導入したのかの理由(パーツ交換によるものなのか新事業に使用する為の新しい資産なのか)を聞く方がはるかに重要です。
購入した経緯がわからないと科目の種類を誤る可能性があります。
例えば資産なのか費用なのかは基本変わりませんが消耗品費になるか調査研究費になるかはその会社によって異なります。
それを誤った場合、帳簿作成のやり直しや、最悪なのが経営者が間違った損益計算書や貸借対照表を見て経営方針を誤る事です。
経理という仕事は都度変わる法律に対応する力が必要とか言われますが、ヒラ経理社員が気にするべきは経営者が見やすい財務諸表を作成するかになります。
そのために経営判断をするための管理会計と税金を計算するための税務会計を分けている企業もかなり多いです。
会計原則に従いながらも経営者や他部署の人たちが働きやすい土台を作るのが経理です。
経営者や現場の方とコミュニケーションをとらないと土台なんて作れるわけがありません。
人と話すのが苦手だから営業ではなく経理を目指しているんですと言っている人は注意した方がいいと思います。(例えば初見の人とは話せないままでも自社の社員とは話せるようになるなどの対策はしましょう)
経理だから裁量があると意外と勘違いされやすい
裁量なんてあるわけがありません。
確かに同僚には絶対言えないようなお金の動きとかを知っている場合がありますが基本的にはヒラ社員であれば他の部署のヒラ社員と権限は同じです。
こいつむかつくから経費は落としません!とか言っている経理がいたら三流以下の人材なので即刻上位の人に報告して経理部署から異動させましょう。笑
きっと自分の年収よりはるかに大きい金額を触っているから自分が偉くなっていると勘違いしています。
経理であっても営業であっても現場社員であっても裁量は役職によって付与されます。
経理職はお金の流れを可視化するのが仕事であってお金を払う人ではありません。
もし経理職以外の人がこの記事を見ていたら「何とかこの経費を通してよ~」と経理にお願いするのはやめましょう。笑
経理職の人は非常に困ります。
新人経理さんはしっかりと「その裁量は私にはありません!」とはっきりと言ってください。
思わぬヘイトを買ってしまいます。
最後に
経理は基本的にルーティン業務になるので自分の工夫次第で決算月であっても定時までにすべての仕事を終わらせることも可能の職業です。
逆を言えば何もしなければ毎年決算月になると鬼残業をすることになります。
かといって去年と違う形の財務諸表を作るのもNGです。
ここは変えていい、ここは変えたらダメの線引きを考えて行動すれば自分の力になり、時間も確保できます。
個人的には給料の問題さえなければ定年まで経理で働きたかったと思うほど経理という職業は大好きでした。
たとえるなら黒衣のような存在です。
主役は経営者や現場社員であり、経理が前に出る事はありませんが、自分が頑張る事で主役が働きやすくなり輝いているところを見るのが好きでした。
とてもいい職業だと思います。
